RPAは使えない?メリット・デメリットと活用方法を解説

2020.11.18

2021.1.29

RPAは、単純な定型業務に位置付けられている事務作業などを効率化できるツールです。しかし、企業によってはせっかくRPAを導入しているにも関わらず、うまく機能していない場合もあります。

RPAを導入する際には、メリット・デメリットを理解したうえで活用することが大切です。そこで今回は、RPAのメリット・デメリットや具体的な活用方法を解説します。

RPA導入のメリットとは?

RPAが使えないと判断されてしまう要因について解説する前に、まずは、RPAのメリットを紹介します。

作業スピードの向上が期待できる

第一に作業スピードの向上が期待できます。一度設定すれば、高速で作業が可能なため、特に同じことを何十回何百回と繰り返す作業が大幅に短縮可能です。

正確性の向上が期待できる

人手で作業する場合、どうしても作業ミスが発生する可能性があります。しかしRPAで自動化された作業は、設定された作業を全く同じ形で繰り返してくれるため基本的にミスが発生しません。

ホワイトカラー業務の効率化ができる

ホワイトカラー業務の効率化も実現できます。RPAは一般的な経理業務や、電話・メール対応の補助などの業務も代行できます。RPAを導入すると、これまではホワイトワーカーが携わっていた事務作業を自動化し、よりスピーディーに行なうことができるのでより重要度の高い業務に集中することができます。

生産性の向上が期待できる

RPAは、指示どおり正確に業務をこなし、人間のようにミスをする心配はありません。加えて、RPA導入によって、これまで人員が必要だった事務作業の自動化ができるだけでなく、24時間休みなく稼働させることもできるので、生産性の向上が見込めます。

コスト削減できる

最後に、コストの削減です。RPAは、事務作業やコールセンター業務といった定型業務を肩代わりしてくれるので、これまでそういった業務に多くの人材を配置してきた企業の場合、RPAの導入によって、その分人件費削減が可能です。加えて、新規事業におけるシステム開発費が発生するようなケースでも、RPAが代行すればコスト削減につながることもあるでしょう。

RPA導入のデメリットと使えないと判断されてしまう要因

このようにRPAは多くのメリットがあるのですが、デメリットの部分が悪目立ちしてしまうと、RPAは使えないと判断されてしまうことがあります。その要因としては、以下のようなことが考えられます。

自動化にはルールが必要

RPAを活用して業務を自動化させるには、あらかじめしっかりとしたルール作りをしておくことが必要です。そして、RPAに教え込むルールを作るには、これまで人間が行なってきた業務を一つひとつ整理してルール化していかなければいけません。人間がやってきた業務のルールが整理できたら、ロボットにその業務フローをインプットしていく流れになります。

大きな企業であれば業務は細分化されており、また、同じ業務であっても自分なりの取り組み方で業務をこなしている人もいます。そうなると、そもそものRPAに教え込む業務フローを作るのが大変で手間を取られることになります。そして、業務フローを作成してルールを作ると、良くも悪くもRPAはこのルールに縛られることになるのです。

適切な業務フローで指示ができれば業務の効率化や生産性の向上が見込めますが、決められたルールに縛られて融通が利かず、「RPAは使いづらい」と判断されることも大いに考えられます。

不具合を起こしやすい

RPAはルール化した業務以外の判断はできません。RPAはアクシデントや変化に対応するのが苦手なので不具合を起こしやすく、結果、ツールが止まってしまうことも多いです。RPAを導入したにも関わらず不具合が起こると、それを改善するための人材が必要になるため、RPAへの不満を持つ人も出てくるでしょう。

対象業務に対して適切なツールを選定できていない

RPAツールには多くの種類があり選択肢は非常に豊富です。数あるツールのなかから、自社の方針に合ったRPAツールを選ぶことができれば、これまでよりも格段に業務効率を上げることができるでしょう。

しかし逆に、自社の業務に適切でないツールを選定してしまった場合には、余計に時間がかかってしまうこともあります。例えば、デスクトップ上で社内システムやExcelなどを操作するような作業の効率化がしたいといった場合に、もしクラウド系のツールを選んでしまうと、本来やりたかった作業が自動化できないという問題につながることもあるのです。

RPAを上手に活用する方法とは?

「使えない」と思われてしまうRPAを上手に活用したいなら、使い方のコツを理解したうえで、デメリットをカバーしていくことが求められます。以下では、RPAをうまく活用するための具体的な方法を3つ紹介します。

業務フローを明確にする

RPAツールを導入する際は、業務をルール化して的確にインプットしやすいように業務フローを明確にしておくことが大切です。

また、業務の効率化を実現するためにRPAを導入した場合でも、RPAの管理者の人事異動などの理由で業務自体がブラックボックス化してしまうこともあります。RPA導入後もブラックボックス化を防ぐためには、RPA化された業務フローや運用方法を文書に起こしてマニュアル化し、社員で共有しておくようにしましょう。

RPAを使う業務範囲を考える

RPAはうまく活用すれば非常に多くの成果を出してくれますが、普段人間が行なっているような高度な判断はできません。そのため、RPAを導入したからといって、すべての業務を自動化するのは不可能です。RPAを導入する場合は、RPAが適応する業務の範囲をきちんと判断することが大切です。

例えば、RPAはその場で判断を要する作業を代行することはできません。こういったRPAに向かない業務は、人間が作業をしたほうが高効率のものもあります。

組織トップの理解

RPAを導入する際、組織のトップと現場で働く人との間に温度差があるということはよくあります。RPAを導入したからといって、必ず業務の効率化が実現するとは限りません。組織のトップと現場に温度差がある場合は、現場の社員の満足度向上になかなかつながらないという問題もあるでしょう。

RPAの能力を最大限に活かしたいのであれば、組織のトップがRPAに対する正しい知識を持ち、推進する姿勢を示すことが大切です。加えて、社内全体での「RPAを活用して、業務の効率化を目指そう」という雰囲気作りも欠かせません。

また、RPAの適切な評価ルールの構築と最適化を行なうことも重要です。業務プロセスを無視したり、業務体制が不十分なままRPAを導入したりするのはとても危険であるため、組織のトップと現場がしっかりと連携しながらツールを使っていきましょう。

RPAは上手に活用することで効率化を実現する

RPAは、あまり使えないツールだと判断されてしまうこともありますが、業務フローの見直しや導入範囲を正しく判断するなど準備をしっかりと進めていけば、RPAを活用することによって業務の効率化を図ることができます。

RPAは、正しく活用すればメリットの多いツールです。RPAは使えないと判断してしまう前に、RPAに関する知識と理解を深めていく必要があるでしょう。RPAの能力を存分に発揮させるためにも、導入前には業務プロセスを可視化して業務フローを整理し、現場にはRPA導入の意義を丁寧に説明するなどして着実に準備を進め、RPAによる業務の効率化を目指しましょう。

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