RPAとBPOの違いは?導入ステップも併せて解説

2020.11.19

2021.1.29

日本では、業務の効率化や働き方改革の推進にともない、RPAやBPOを導入する企業が増えています。しかしその一方で、RPAやBPOの違い、使い分けの方法などを知らない方も多いのが実情です。RPAやBPOの違いやそれぞれのメリットを把握して現場に導入すれば、仕事の生産性がアップする可能性があります。

そこでこの記事では、RPAやBPOの概要を紹介します。また、それぞれの使い分けやRPA導入の流れなども詳しく解説していきます。

BPOとRPA

業務の効率化を図り、働き方改革を推進していく過程において、BPOとRPAの概要を知ることはとても重要です。ここでは、BPOとRPAの概要や、それぞれの使い分けについて解説します。

BPOとは

BPOとは、Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略であり、コア業務以外の業務を外部の企業に委託することを指します。BPOは通常のアウトソーシングとは異なり、業務の一部分のみを限定的に委託するのではなく、経理業務全般やコンサルティング、コールセンターの運営など、あらゆる業務の全プロセスを外部に委託するのが特徴です。

例えば、年末に膨大な仕事量を抱えている企業は少なくないでしょう。このとき「事務作業に時間を取られ、残業時間が増えてしまう」「コア業務に集中したいのに、ノンコア業務にばかり時間が取られている」といった問題が発生しやすくなります。

BPOを導入すれば残業時間が減り、業務時間の削減ができるというメリットがあります。長時間労働が改善されると、その分スタッフはコア業務に集中できるようになります。コア業務は利益に直結するため高度な判断が必要となり、外部委託は難しい業務です。そのコア業務に多くの時間を費やすことができれば、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

RPAとは

RPAは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、コア業務以外の定型的な業務をロボットが行なうことをいいます。RPAは繰り返しの作業が得意なため、事務作業などのノンコア業務を自動化することを目的に、近年導入が進んでいます。

RPAもBPOと同様に、業務時間の削減ができる点がメリットの一つです。RPAは自動化レベルによって3段階に分けられるので、自社が求める自動化のレベルに応じたものを導入することがポイントです。

なお、RPAの詳細については、こちらの記事も併せてご確認ください。

BPOとRPAの違い

これまで説明してきたことからわかるように、BPOとRPAはそれぞれ特徴が異なります。例えば、「データ入力や顧客データの管理などを代行してもらいたい」と考えているのであれば、RPAの導入が適しています。データ入力や顧客データの管理などのように、ある程度形式が決まっており、単純作業を繰り返し行なうような仕事はRPAが得意とする分野です。

しかし、「付加価値を求めたい」と考えている場合には、BPOを導入したほうがよいでしょう。BPOを提供している事業者(BPOベンダー)は複数あり、事業者によって専門分野や得意分野は異なります。例えば、社内に人事や財務、コールセンターなどのノウハウを蓄積していないのであれば、それらに知見のあるBPO事業者を選択して、業務を効率化することも選択肢の一つです。

ただし、BPOを導入する場合は業務を一括して外部企業に委託するため、内製化に向けて自社にノウハウを蓄積していくことは困難となります。そのうえ、外部委託するということは、情報が漏えいするリスクがゼロではないので、サービスを活用する際にはセキュリティ対策もしっかりと確認しておくことが大切です。

今後はRPAの必要性がより高まる

BPOは、およそ20年以上前から急速な広がりを見せました。しかし、近年のIT技術の発展によりRPAが参入してきたことで、BPOの存在価値は変わりつつあります。RPAの参入によって、人よりも作業のスピードや正確性が高いロボットが業務を代行すると、BPOのセールスポイントが薄れてしまう恐れがあるのです。

今後、BPOベンダーはBPOの強みを生かすために、RPAツールと組み合わせたパッケージを売り出すことが重要になります。それに併せて、RPAの詳しく理解も必要です。BPOとRPAを組み合わせることによって多くの業務が自動化できるようになり、さらなる工数の削減が期待できるでしょう。

また、BPOベンダーを選定する場合は、BPOサービスのノウハウを蓄積していることはもちろん、RPAの導入も積極的に行ない、信頼性の高い企業と契約をすること必要が大切です。ただし、企業の方針として業務効率化や働き方改革に焦点をあてているのであれば、BPOよりもRPAを導入したほうがより効果的なケースもあるでしょう。

RPAの導入ステップとは?

RPAを導入するのであれば、適切なステップに沿って導入することが求められます。ここでは、RPAの導入ステップについて詳細を確認していきましょう。

導入の検討・準備をする

RPAは全自動のロボットではありません。「RPAを導入すると、時間もコストも大幅にカットできる」と思うかもしれませんが、そもそも自動化には不向きとされている業務もあります。そのため、導入の際には「どの業務にRPAを導入するのか」という点を細かく決めておきましょう。

また、RPAが取り組める業務には範囲があり、得意分野も限られています。RPA導入を検討する段階で、現在、従業員が行なっている業務を書き出すなどして可視化し、洗い出していきましょう。そうすることによって、RPAに指示ができる業務と、これまでと同様に人間が行なうべき業務がおのずと見えてきます。

そして、ツールの選定には、あまり時間をかけすぎないこともポイントの一つです。導入可能なツールには複数の種類があるため、迷っているのであればトライアルサービスを利用するなどして、自社に合ったツールを選んでいきましょう。

実際に導入する

ツールの選定が完了すると、いよいよ導入に移ります。RPAを導入する場合は、あらかじめ運用ルールを決めることからはじめていきましょう。運用ルールを決める際には、特にトラブルが起こったときの対処法などをしっかりと検討することが重要です。

RPAは指示したことは正確にこなしていきますが、例外的な処理が必要な場合、自分自身で考えて対処することはできないという特徴があります。そのため、万が一にもトラブルが発生したときを考えて、対応できる人材を確保しておく必要があるでしょう。

導入するツールを決定したあとは、RPAの対象業務が効率良く行なわれているかどうかを定期的に評価していきます。評価や分析の結果によっては、修正を加えることも重要です。テストや検証を行なったうえで問題がないと判断したら、RPAツールを導入しましょう。

運用する

RPAがうまく機能している場合は、対象業務を拡大する段階に移りましょう。また、RPAの運用後も、導入によって得られた効果をこまめに評価し、見直していくことは欠かせません。場合によっては、RPAの対象業務を減らす判断をすることも必要でしょう。

RPAはとても便利なツールですが、ツールの能力を過信して100%を求めてしまうのは危険です。RPAの導入によって業務効率化を目指すのであれば、ツールの特徴と自社の業務内容をしっかりと照らし合わせ、部分的な使用に踏み切ることをおすすめします。

RPAを導入して労働環境を整えよう

RPAとBPOには、導入すると業務時間の削減やコスト削減につなげられるという共通の特徴があります。しかし、今後の日本で慢性的な人材不足が続く点を考慮すると、RPAを導入したほうがより効果的といえるでしょう。

RPAを導入すると労働環境が大きく改善され、コア業務により集中できるというメリットがあります。BPOとRPA、それぞれの違いや特徴などを正しく理解したうえで、自社に合ったツールの選定・導入を目指しましょう。

デジタルワークスブログ編集室

デジタルワークスブログ編集室

デジタルワークスブログは、株式会社デジタルワークスが運営している「デジタライゼーション」をテーマにしたお役立ち情報を発信しているサイトです。

デジタルワークスブログ編集室は、株式会社デジタルワークスの社員により執筆・運営しています。 DXやデジタライゼーションに関するお役立ち情報を発信しています。

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています