事務作業の自動化は進む?RPAの概要やメリット・導入事例などを紹介!

2020.11.17

2021.1.29

企業における事務作業の自動化への関心が高まっています。人件費などの固定費の削減を迫られる一方で、別の側面ではAI技術も進化しており、ビジネスでの活用も視野に入れていきたい時代です。事務作業の自動化は今後ますます浸透していくでしょう。

この記事では、事務作業の自動化を語るうえで欠かせないRPAの概要や導入のメリットを解説します。すでに一定の効果を得ている企業の導入事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

RPAによる事務作業の自動化

事務作業の自動化が広がる背景には、RPAの登場との関係性が深いようです。ここでは、RPAの概要や、注目を集めるようになった理由を解説します。

そもそもRPAとは?

RPAとは、Robotic Process Automationの略で、ホワイトカラーが行なう事務的業務を自動化することです。例えば、見積・請求書の発行、メールの送受信、データ入力などの業務があてはまります。

事務作業はタスクの種類や量が多いうえに、スピーディーで正確な対応を求められます。そこで、パソコン上で行なう事務作業を、素早く正確に処理できるロボットで自動化しよう、というのがRPAの概念です。RPAはデジタルレイバーや仮想知的労働者と呼ばれることもあります。

近年、企業のRPAへの関心度は高く、導入する企業が増えているのです。

なお、RPAの詳細についてはこちらの記事も併せてご確認ください。

RPAが事務作業の自動化に向いている理由とは

RPAはなぜ事務作業の自動化に向いているのでしょうか。その理由としては、おもに2つのポイントが挙げられます。

1つ目に、事務作業にはRPAが行いやすい業務が多いことが挙げられます。

RPAは、RPA開発で作成したシナリオに沿って作業を自動で実行しますが、あまりにも複雑な作業の場合、そのシナリオ作成がとても大変です。

しかし、事務作業はこうしたシナリオがシンプルで済むものが多くあります。そのためRPA導入時のコストが少なくすむだけでなく、他の作業と比べて広範囲をRPAで担当することが可能です。

2つ目に、事務作業にはスピードと正確性を求められるものが多いことが挙げられます。

事務作業の中には、数をこなさなければならないものも多く、こうした作業はスピードが求められます。またスピードを上げるに際して精度を下げてはいけないものも多いでしょう。

一方でRPAは、作成したシナリオに沿って、作業を高速かつ正確に実行するのが得意です。そのため一度RPA化してしまった事務作業は、人の手でやるよりも安心して任せられるようになります。

このように事務作業は、RPAが得意とする分野の業務が多くあるため、RPAによる自動化が向いているといえます。

RPAとよく似たシステムとの違い

機械による作業の代行、処理の自動化というと、AIやマクロが思い浮かぶ方も多いかもしれません。よく似ているのですが、根本的な部分でRPAとは異なります。ここでは、RPAとAIやマクロとの違いを解説します。

AIとは何が違う?

AIはご存知のとおり人工知能であるため、自己学習を重ねる性質を持ちます。蓄積した学習情報をもとに、自ら考えて状況や条件に合ったアウトプットを行なうのがAIです。一方、RPAは作業の実行に特化したものであり、あくまで人が設定したとおりの処理を実行します。AIのように自ら何かを考えたり、分析したりといったことはしません。

AIとRPAを組み合わせると、非定型作業の一部の自動化もカバーできるようになります。より業務効率化が図れるため、両方を兼ね備えたツールも登場しています。

マクロとは何が違う?

マクロとRPAの異なる点は、活用範囲、必要スキル、処理スピードなどです。マクロも作業の自動化に用いられますが、対象となる製品が限られています。RPAは自動化できる範囲がもっと広く、あらゆるシステムやアプリケーションに対応可能です。

また、大きな違いの一つとして、マクロはプログラミングの知識を要しますが、RPAは専門知識がなくても簡単に扱える点が挙げられます。

なお、RPAとマクロの違いについては、以下の記事も併せてご参照ください。

RPAを導入するメリットとは?

RPAを導入すれば、業務を進めるうえでさまざまなメリットが享受できるでしょう。

企業がRPAを導入した場合のメリットを3つご紹介します。

コストが削減できる

事務作業や定型作業を自動化すると、それまで多くの人員を要していた業務も、より少ない人数で進められるようになります。人員の削減は人件費の削減に直結するため、大きなコスト削減が期待できるでしょう。

同時に多くの人員を必要としないということは、現代企業が直面する人材不足といった課題も緩和されるはずです。身近な例としては、セルフレジが挙げられます。スーパーやコンビニに導入されている自動レジシステムによって、少ない人数でも店舗の運営が可能になります。

業務効率が上がる

RPAは、人が行なうよりも圧倒的に速いスピードで業務を進められるため、業務効率が上がります。これまで高い生産性につながるような業務に多くの時間をかけられなかった企業も、単純作業の業務効率が上がれば、より時間を確保できるようになります。RPAの導入によって、ホワイトカラーの負担や不満の解消が期待できるでしょう。

また、RPAに任せればファイリングや資料管理などの作業も不要になるため、従業員は重要なコア業務に多くの時間を割けるようになります。

業務効率や生産性が上がれば企業の業績が上がり、従業員の賃金アップをはじめ、成長に向けた新たな開発や事業展開も可能になります。

業務上でのミスがなくなる

100%とはいえませんが、RPAに任せればミスも格段に減少するでしょう。人が作業をする場合と異なり、RPAは長時間動かし続けても集中力が落ちることがないためです。作業の精度はほぼ一定のため、正確なアウトプットが期待できます。

ミスが起きると、その後の業務に遅れや混乱が生じます。ミスの内容によっては多大な損失を招くことも起こり得ます。RPAを導入してミスが少なくなれば、スムーズな業務進行が実現できるだけでなく、企業価値や信頼度の向上にもつながるはずです。

RPAの導入事例を紹介

現在、注目が集まっているRPAはすでにさまざまな分野で導入されており、今後も導入する企業が増えていくと見込まれています。ここでは、RPAを導入した事例をいくつかご紹介します。

金融機関における案件情報の自動入力

ある金融機関では、案件管理のための入力情報が多くなり、社員の負担が増していました。

そこで、対策としてRPAを導入し業務の効率化を図ることにしました。入力システム上の各作業項目について、自動化できるものとできないものをあらためて見直し、自動入力できる部分を増やしたのです。結果、作業時間の短縮が実現されました。

このことから、細かい内容の情報入力はRPAを導入するのがおすすめと言えるでしょう。

ECサイトにおけるバックエンド業務

あるECサイトを運営する企業では、顧客側の発注ミスやサイト上での受注漏れなどが多発し、運用上の解決すべき課題となっていました。

そこで、従業員の手作業をRPAに任せ、ECサイトユーザーの商品検索から、購入後のデータ管理までを自動連携させました。

その結果、バックエンド業務でのミス削減を達成でき、現在では今までより少ない人員で運営できたそうです。

これ以外にも、以下のように、RPAを活用して事務作業を自動化する事例は数多くあります。

  • 毎日、数十アカウントで運用している広告媒体の管理画面から、利用金額情報を取得。当月の着地想定を算出し、売上見込管理システムに入力する業務を自動化
  • 定期的に数十件あるアカウントごとに広告媒体の管理画面からパフォーマンスレポートのCSVをダウンロード。Excelファイルに取りまとめてレポートを作成する業務を自動化

RPAは、作業の自動化による工数削減だけにとどまらず、時間短縮、ミス削減の効果もあることから、大量にあるデータの取りまとめなどでも効果を発揮します。

事務作業の自動化は業務効率化への第一歩

近年では、働く人材を十分に確保することが難しくなっており、業務効率化の必要性が高まっています。業務効率を上げるには、まずは定型的な事務作業を自動化することをおすすめします。

RPAを導入すれば、組織の少人数化や業務効率化を実現し、さらなる成長を目指すことが可能です。
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