RPAで業務効率化を推進しよう!選び方から導入事例まで

2020.11.16

2021.1.29

人口減少が続く日本では労働力確保が大きな課題となっており、今後ますます業務を効率化する必要性が高まると考えられています。近年、業務効率化の有効な方法として、RPAを導入する企業が増加傾向にあることをご存知でしょうか。

RPA市場が徐々に拡大しているとはいえ、本当にRPAが企業にとって有益なものなのか、詳細を知らない人も多いかもしれません。そこで、今回はRPAが業務効率化に最適な理由、RPAの特徴と選び方と実際の活用事例についてご紹介します。

RPAで業務効率化が実現できる理由

RPA(Robotic Process Automation)とは、自動化処理されたソフトウェアロボットを操作することにより、業務効率化を実現する取り組みを指します。

RPAは、ブルーカラーの現場で動く産業用ロボットとは異なるもので、ホワイトカラーの業務を人間の代わりに処理するソフトウェアのことです。おもに、パソコンやサーバーにインストールして使用されています。

もし、RPAを上手に活用することができれば、業務効率化の推進・人手不足の解消が期待できるでしょう。ここでは、RPAを導入することで業務効率化を実現できる3つの理由を説明します。

生産性が向上するため

RPAを導入することにより、日々のルーティンワークを自動化することが可能です。自動化できる業務をすべてRPAに任せることで、企業の人的リソースに余裕が出てきます。その結果、適材適所に人材を配置できるようになり、企業全体の生産性アップが期待できるでしょう。

さらには、RPAは同じ間違いを何度も繰り返したり、集中力の低下で失敗が増えたりすることがありません。データ入力など単純な事務作業については、人間よりもRPAのほうが優れている場合がほとんどなので、安心して業務を任せられます。

しかも、RPAは業務の自動化を推進してくれるシステムでありながら、プログラミングの技術を必要としません。通常、システムの導入時やカスタマイズを行なうときは、エンジニアの専門的な知識や技術が求められますが、現場で作業するスタッフが自ら導入し運用できるため、作業効率がアップします。

24時間働いてくれるため

人間を毎日24時間働かせ続けることは不可能ですが、パソコン内で動くRPAであれば、24時間365日働かせることが可能です。早朝や深夜帯など、時間帯を問わず仕事をこなしてもらえるため、従業員の業務量を大きく削減できるでしょう。

また、RPAは時々エラーを発生させますが、人間のように急に体調を崩して休むことがありません。担当者の休職・退職に悩まされる心配がないため、他の従業員の負担や教育コストを減らせるのも魅力です。

単純作業については、派遣社員に仕事を割り当てているケースも多く、人の入れ替わりのたびにやり方を教えるのは手間とコストがかかります。RPAの仕組みを一度作ってしまえば、急な体調不良・休職・退職を気にすることなく長期にわたって安心して利用できるでしょう。

人手不足が解消できるため

現代の日本では人口減少が続いており、今後も新しい人材を確保しづらい状況が続くと予想されています。RPAを導入することにより、企業全体の業務量を減らして効率化を図れるため、人手不足の解消が期待できるでしょう。

もちろん、RPAが完全に従業員1人に成り代わることはできません。複雑な業務や臨機応変に対応しなければならない業務については、これまでのとおり人間が担当する必要があります。

しかし、データ入力・コピー&ペーストなど決まりきった単純作業となるとどうでしょうか。高度な判断を必要としない簡単な作業であっても、その量が膨大であれば労働時間がかさむものです。

単純かつ時間がかかる作業をRPAに担当してもらうことで、従業員1人あたりの作業量を減らせます。長時間労働の負担が少なくなれば、業務に対する不満が減り、離職率の低下も期待できるでしょう。

RPAの選び方とは?

RPAを導入するメリットを説明しましたが、RPAにはさまざまな種類があります。RPAによって作業レベル、型、導入コストなどが異なるため、導入によるメリットを実感するためにも自社に合ったものを選ぶ必要があるのです。

また、RPAは“サーバー型”、“デスクトップ型”、“クラウド型”の3種類に分かれます。サーバー型とは、サーバーから複数のロボットの一括管理・操作を行なうタイプのRPAです。業務外提携・社外連携にも対応しており、大規模な運用が可能ですが、その分コストが高めとなります。

一方、デスクトップ型のRPAはサーバーではなく各パソコン内で働きます。1台のパソコンに1体のロボットが使用されるので、個人や部門といった小規模な運用に向いています。ロボットの一括管理は行ないづらいものの、サーバー型よりも初期費用を安く抑えられるのがメリットです。

最後にクラウド型は、RPAツールをクラウドで提供しているWebサービスを契約するものです。サーバー構築の必要がなく、自動でソフトウェアのアップデートなども行ってくれるというメリットがあります。また初期費用を抑えられることが多く、比較的気軽に導入できるという側面もあります。

なお、各RPAツールの型別の導入費用などは、以下の記事も併せてご参照ください。

初めてRPAを導入するのであれば、狭い範囲から試してみることをおすすめします。自社の抱えている問題、RPAを導入する目的を明確化したうえで、自社と相性の良いツールを選択しましょう。

RPAを活用した業務効率化の事例

RPAは金融・不動産・メーカー・商社・人材サービス・自治体など、あらゆる業界で導入されており、業務時間の削減に貢献しています。手作業で行なうと何日もかかるような業務でも、RPAを導入することにより数時間で済んでしまうケースもあるほどです。

またRPA提供企業上位のデータを見ると、RPAが活躍している多くは入力作業や事務作業が多い不動産や金融で特に多くの事例が見られます。その他、事務作業が多いと考えられる自治体の例などもあります。

RPAの活用を検討するときに、実際に業務改善に至った事例をあらかじめ知っておくと参考になります。ここからは、RPAツール提供企業の事例などを参考にしつつ、RPAを活用して業務効率化を実現した事例を2つご紹介します。

不動産会社における転記作業の時間短縮

不動産業界ではシステムへの入力作業が多く、従業員の大きな負担となっていました。例えば、顧客に紹介できる物件情報を管理会社のサイトより探し出してから、手作業で自社サイトに入力し、そのデータを集計するなど、膨大な作業が発生し多くの時間をそれらの作業に充てる必要がありました。

そこで、物件情報の取得、メールの転記作業など、人の手が入らなくても問題がない部分に関しては、RPAの導入で対応することになりました。業務の一部自動化が進むにつれ、3~4倍の効率化を実現し、今までよりも営業やその他の業務に注力できるようになったのです。

不動産業界は単純な入力作業が非常に多いため、ルーティンワークを得意とするRPAの効果が出やすい業界だといえます。

地方自治体における紙ベースからの脱却

地方自治体は基本的に紙ベースであり、IT化が遅れていて業務効率化が図りにくいのが現状です。大量の手入力や帳票の管理に日々追われていたとしても、自治体の性質上、IT化に向けた予算確保はそう簡単ではありません。予算に組み込むためには、RPAにそれだけの導入効果があることを実証しなくてはならないのです。

しかし、近年は民間企業だけでなく、地方自治体でもRPAを導入する事例が出てきました。2018年には、奈良市が業務改善のためRPAの実証実験を行なっています。その結果、一部の業務では、作業時間を80%削減できたことが明らかになりました。

今後は民間企業だけでなく、地方自治体でも積極的に導入が検討されるでしょう。RPAは保守的でIT化が遅れている地方自治体を方向転換させるほど、業務改善に有効なツールなのです。

RPAをうまく利用して業務効率化を進めよう

それぞれ程度の差はありますが、RPAを実際に導入した企業・自治体の多くで、業務効率化が実現できています。RPAでは対応できない複雑な業務は人の手で行ない、ロボットで対応できる定型業務をRPAに任せることで、業務効率化が期待できるでしょう。

まずは、RPAに任せられる業務や自社の問題点を洗い出し、業務に合いそうなRPAを探してみましょう。RPAを導入するときは、相性や効果を慎重に見極めるためにも、小規模から試してみるのがおすすめです。

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