クラウド型RPAとは?|デスクトップ型・サーバー型との違いや自動化できる業務内容を紹介

2021.01.28

2021.1.27

RPAには3つの種類があります。クラウド上にシステムがあるクラウド型、社員の端末にインストールするデスクトップ型、そして社内にサーバーを立ち上げてインストールするサーバー型です。それぞれRPAごとの特徴があり、どのRPAが自社に適しているかは導入前に検討する必要があります。

ここでは、3つのRPAについて触れながら、クラウド型RPAの長所や短所について解説していきます。

クラウド型RPAとは?

クラウド型RPAは、クラウドにインストールされており、クラウド上で処理を行なうSaaS形のRPAです。クラウドと名のつく通りクラウド上に存在するため、インターネットを通じてアクセスします。

クラウド型RPAは、RPA自体がクラウド上にあることから、処理に必要なデータなどもクラウド上に保存されます。また多くのツールで、自動化の対象はWebブラウザの操作が中心という特徴があります。

なお、RPAにはクラウド型以外にもサーバー型やデスクトップ型のものがあります。比較ができるように、クラウド型RPAのメリットを説明する前に、先にこれらについて簡単に紹介します。

その他のRPAの種類

前述の通りRPAには、クラウド型RPAのほかには、サーバー型RPAやデスクトップ型RPAがあります。順番に見ていきましょう。

サーバー型RPA

サーバー型RPAは、自社サーバーにインストールされ、そのサーバー上で処理を行なうRPAです。

サーバー型RPAは、同時に複数のRPAが実行できることや、RPAを一括管理でき、変更や更新などをまとめて反映できるといった特徴があります。

しかし、クラウド型RPAやデスクトップ型RPAと比べて導入・運用のコストが高くなる傾向にあります。また、自社サーバーにインストールするため、そのサーバーの運用や保守も行う必要があります。

デスクトップ型RPA

一方、デスクトップ型RPAは社員が使用するパソコンに直接インストールし、そのパソコン上で処理を行なうRPAです。

デスクトップ型RPAは、パソコン上のアプリケーション操作が得意で、ユーザーの都合に合わせてRPAを実行できるという特徴があります。また、サーバー型RPAと比べて、導入・運用のコストが抑えられる傾向にあります。

しかし、社員のパソコンのリソースを使用するため、ロボットを実行している間、パソコンを操作できません。また、一括管理が難しいためシステムのアップデートなどを個別に対応する必要があります。

なお、サーバー型RPAとデスクトップ型RPAについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。併せてご確認ください。

クラウド型RPAの5つのメリット

比較対象としてサーバー型およびデスクトップ型のRPAについて簡単に紹介したところで、クラウド型RPAのメリットを解説していきます。

ここでは大きく5つのメリットを解説します。

1. サーバー構築の必要がない

サーバー型RPAの場合、サーバーの導入から始める必要がありますが、クラウド型の場合その必要がありません。多くのクラウド型RPAでは、契約すればすぐに利用することができます。

またクラウド型はサーバーを構築しないため、サーバー型RPAと違いサーバーの運用・保守についても考える必要がありません。

2. 最新のアップデートを自動で利用できる

サーバーの運用・保守だけでなく、クラウド型RPAのアプリケーションの運用・保守も考える必要がありません。すべてRPAプロバイダーに対応してもらえます。そのため、ユーザーは常に自動で最新の機能を利用できます。

3.RPAツールを時間・場所問わず利用できる

クラウド型RPAツールはインターネット環境があれば、いつでもどこでも使えます。もっとも、このメリット自体はサーバー型もデスクトップ型同じです。しかし、クラウド型RPAは両者のデメリットをカバーする形での利用が可能です。

まずサーバー型の場合、インターネット経由で利用することが可能なものの、社内ネットワークにつなぐ必要があるため、多くの場合VPNなどが別途必要です。一方のクラウドはインターネット経由で直接接続が可能なので、サーバー型RPAと比較して利便性が高いと言えます。

またデスクトップ型の場合、社員が普段使用するパソコンにインストールするため、インターネット環境が不要な作業であれば、そもそもどこでもRPAを実行可能です。

しかし、インターネット環境が必要な作業の場合、パソコンをインターネットに接続し続ける必要があります。そのため、RPAを実行したがインターネット接続が切れてしまい作業が途中で止まった、といったことが発生する可能性があります。

一方クラウド型RPAであれば、インターネット環境に接続したタイミングで作業を指示してしまえば、パソコンのインターネット接続が切れたり、シャットダウンしたりしても、クラウド上で作業を続けさせることができます。

4.端末を占有しない

デスクトップ型RPAの場合、RPAが社員のパソコンにインストールされているため、処理を実行している間は他の作業ができなくなります。しかし、クラウド型RPAはクラウド上で処理を行なうため、ツールを使用している端末を占有しません。そのため、1つの端末でツールを使いながら、通常業務が行うことが可能です。

なお、サーバー型RPAにもこのメリットは存在します。

5.OSの制限がない

クラウド型RPAでは、基本的に端末のOSに制限がありません。パソコンがインターネットに接続でき、RPAツールに必要なWebブラウザが稼働するOSであれば、利用可能です。そのため、Windows・Macのどちらからでも利用することができます。

なお、このメリットもサーバー型RPAと共通です。

クラウド型RPAと他のRPAの比較

このように、クラウド型RPAには他のRPAと比べたメリットが複数あります。一方で、クラウド型では難しい作業などももちろんあるため、自社の環境に合わせて選択する必要があります。

ここでは、環境に合わせた選択がしやすいように、デスクトップ型とサーバー型で分けて比較してまとめていきます。

デスクトップ型RPAとの比較

まずは社員のパソコンで実行するデスクトップ型との比較です。デスクトップ型と比較したクラウド型RPAのメリットは次のようになります。

  • クラウド型RPAを利用するパソコンのスペックが高い必要がない
  • クラウド型RPAでは一括管理ができる

クラウド型RPAは、パソコン上で処理を実行する必要がないため、デスクトップ型RPAと比較してパソコンに要求されるスペックが低めです。

また、デスクトップ型RPAには一括管理ができないものがありますが、クラウド型RPAは一括管理することが可能です。そのため、大量のパソコンにRPAを導入したい場合などは、クラウド型のほうが有利といえます。

一方、デスクトップ型RPAのメリットは次のようになります。

  • デスクトップ型RPAではパソコンにあるデータを操作できる
  • デスクトップ型RPAはオフラインでも利用できる

デスクトップ型RPAは、パソコン上にあるデータも含めて自動化が可能ですが、クラウド型RPAの場合、クラウド上にあるデータにしか対応できません。また、デスクトップ型RPAは、インターネットに接続できなくても、作業によっては利用が可能ですが、クラウド型RPAの場合、最低でも一度はインターネットに接続しないと実行できません。

サーバー型RPAとの比較

次にサーバー型RPAとの比較をします。サーバー型と比較したクラウド型RPAのメリットは次のようになります。

  • クラウド型RPAのほうが導入・運用コストが低い
  • クラウド型RPAのほうが導入にかかる時間が短いケースが多い
  • クラウド型RPAではサーバーの運用・保守が不要

サーバー型RPAは自社でサーバーを構築する必要がありますが、クラウド型RPAではそれが不要です。そのため、クラウド型RPAのほうがサーバー型RPAより導入・運用コストが低くなる傾向があります。また、導入するものが少ないクラウド型RPAはサーバー型RPAより導入にかかる時間が短いケースが多いです。

その他、サーバーの運用・保守にも違いがあります。サーバー型RPAは、自社でサーバーを保持するため、サーバーの運用・保守が必要です。しかし、クラウド型RPAは自社でサーバーを保持しないため、運用・保守は不要というメリットがあります。

一方、サーバー型RPAのメリットは次のようになります。

  • クラウド型RPAではできない作業も実行可能
  • セキュリティが高い

クラウド型RPAは、クラウドにあるデータしか扱うことができません。そのため、社内ネットワークからの持ち出しが禁止されている機密ファイルや、アップロードが難しい大きなファイルなどは扱えません。しかし、サーバー型RPAは、社内ネットワーク上にサーバーを構築するためこれらも扱うことができます。

また、クラウド型RPAはインターネット経由でクラウドにデータをアップする必要があるため、社内ネットワークで完結するサーバー型RPAのほうが、セキュリティは高いといえます。

クラウド型RPAは手軽に導入できる業務自動化ツール

クラウド型RPAは導入・運用コストを抑えることができ、サーバーの運用・保守も不要で手間のかからないRPAです。一方で、実行できる作業に限りがあるため、社内ネットワークへの接続が求められる作業などには向いていません。

RPAはクラウド型、サーバー型、デスクトップ型の3種類あり、それぞれに長所と短所があります。クラウド上にアップしても問題ないデータを元に、Webブラウザでの作業を自動化したい場合、クラウド型RPAを選択してみてはいかがでしょうか。 

デジタルワークスブログ編集室

デジタルワークスブログ編集室

デジタルワークスブログは、株式会社デジタルワークスが運営している「デジタライゼーション」をテーマにしたお役立ち情報を発信しているサイトです。

デジタルワークスブログ編集室は、株式会社デジタルワークスの社員により執筆・運営しています。 DXやデジタライゼーションに関するお役立ち情報を発信しています。

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています