OCRとRPAを組み合わせることによりデータ入力の自動化が可能!

2020.11.19

2021.1.29

デジタル技術が発展を遂げるなか、多くの企業が手作業でデータ入力をしています。そういった企業では、人材不足や市場競争力の低下など、副次的課題に直面する可能性があります。

これらの課題解決に向けて、注目されるのが業務の効率化です。

この記事では、データ入力の自動化の特徴や、自動化した際のメリットを解説します。OCRやRPAについてもお伝えしますので、業務効率化のための情報収集にお役立てください。

データ入力における課題とは

現在、オフィスで行なうさまざまな作業の自動化が進んでいます。しかし、データ入力に関しては、いまだに多くの課題が残されているようです。

まずは、データ入力に関する課題について解説します。

ビジネスにおいてまだまだ紙は重要

デジタル技術の進化により、作業の自動化は徐々に浸透し始めています。そういった状況のなかで、契約書、請求書、領収書などのさまざまな書類が、今日においても毎日大量に発生しています。

たとえ、自社が自動化への移行を進めていたとしても、取引先などが紙を使用している場合はそれに合わせた対応が必要でしょう。そのため、商習慣における紙のやり取りは、まだまだなくなる気配がありません。

このようなことが、企業のデータ入力・管理における自動化の進捗を阻む、足かせ要因の一つとなっているのです。

人手不足

契約書、請求書、領収書などの書類に関するデータ入力は、人手のかかる業務の一つです。手間と時間がかかるだけではなく、ミスも許されません。そのような特質から、データ入力の担当者は一定のスキルを持っている必要があります。

しかし、人手不足が深刻化している昨今では、高スキル人材の確保がますます難しくなってきているのです。

現状多くの企業が、自動化が進まず、頼れるスキルを擁する人材の確保も十分にできないという、これら2つの課題要因の間に立たされています。

OCRとRPAを組み合わせてデータ入力を自動化!

課題の多いデータ入力の業務効率化に対し、現在注目されているのがOCRとRPAを組み合わせて自動化する方法です。OCRとRPAのそれぞれの特徴と、組み合わせることでどのようなことが実現できるかを解説します。

そもそもOCRやRPAとは?

OCRとはOptical Character Recognitionを略した言葉であり、紙面や画像上にある文字情報をスキャナーなどで読み取り、テキストデータとして認識する技術のことです。紙面や画像に書かれたテキスト情報を手入力することがどれだけの労力と時間を要するものか、ご存知の方も多いでしょう。OCR機能があれば、スキャナーに通すだけで手入力の手間を省けます。

また、RPAはRobotic Process Automationを略した言葉であり、人がパソコン上で行なう業務の自動化を意味します。例えば、顧客情報の入力や転記、請求書や納品書などの書類発行など、数字や文字は違っても、やり方などは同じという作業が企業の業務には数多くあります。

データの数量が何百、何千と膨大になる作業もあるでしょう。こういった定型業務をRPAに任せ、自動的に実行させることで人手がいらなくなります。

これらOCRとRPAを組み合わせれば、スキャンするだけで自動的にデータ化が完了でき、入力作業をする必要がなくなるのです。

なお、RPAについては以下の記事で、RPAの概要や導入のメリットなどを詳しく説明しています。RPAを自社の業務に導入することを検討している方は、こちらもご覧ください。

OCRとRPAを組み合わせることによってできること

OCRとRPAを連携させると、請求書などの紙面や画像に入っている文字をOCRで読み取り、読み取ったテキストデータをRPAで自動的に入力する、という流れができます。

OCRとRPAを組み合わせると、このように書類を完成させられるのです。

以前のOCR技術では日本語を正確に読み取ることは難しいとされてきましたが、OCRにAIが導入されるようになったことで、さらに精度は上昇しています。

自動化ができるデータ入力業務

ここで、自動化できるデータ入力業務について、いくつかの例を挙げてみます。

申込書や見積書の入力

申込書や見積書を紙面でやり取りする場合、顧客情報の入力が必要です。取引ごとに社名はもちろん、所在地や連絡先など顧客情報として記載する内容は異なります。とはいえ、顧客情報はフォーマットのパターンが決まっていることが多いため、自動化がしやすいです。

その他に、集まったアンケートの文字情報や取引先から受け取ったPDF資料、手書きのメモなどをテキストデータで管理したいときの手間も一気に省けるでしょう。

名刺の入力

営業活動で名刺を入手した場合、管理や整理に煩わしさを感じている方は多いのではないでしょうか。自分、もしくは社内共有の顧客管理システムに、手入力で名刺情報を転記するのは手間がかかるものです。しかし、名刺も記載項目がある程度決まっているため、情報をフォーマット化しやすく、自動化に向いています。

社内システムにテキストデータを保存しておけば、情報共有の手間もかかりません。検索も可能になるため、営業チームの連携もスムーズになるでしょう。

データ入力を自動化することのメリット

データ入力を自動化することによって、どのようなメリットがあるかを見ていきましょう。

入力ミスが減少する

データ入力はミスが許されない作業ですが、人の手で入力をすると誤入力などのミスが起きる可能性が高くなります。入力を自動化して機械に実行させれば、ミスを減少することができます。同時にテキストのデータ化も済ませられ、一石二鳥です。

また、手入力の場合は作業する人が疲労すると、さらにミスの発生確率が高まります。自動化の場合は作業を実行するのが機械なので、人間のように疲れることはありません。

つまり、自動化しておけば、常に一定の正確性が保たれるのです。

手作業より業務スピードが上がる

データを入力する工程を自動化すると、業務自体の処理スピードが格段に上がります。資料が届いてから即座にデータ化できるため、次の工程にすぐに活用できるのです。

手入力だと1分間に120文字程度の入力スピードといわれていますが、OCRとRPAを導入して自動化することによって、1分間に16,500文字程度の入力が可能になります。納期の迫った案件処理や、急ぎの業務が入ってきたときもスムーズに対応できるでしょう。

人件費を削減でき、生産性向上も図れる

データ入力を自動化することで、手作業よりも業務効率が向上します。業務上でデータ入力にかけていた時間が長い(=入力すべき数が多い)企業ほど、大幅に作業時間の削減ができるでしょう。

空いた作業時間や人材といったリソースを、より生産性の高い他の業務に充てられます。つまり、生産性アップの効果も期待できるのです。

過去データの管理がしやすい

紙などで情報を保存している場合、そこから過去の情報を探すのはひと苦労です。紙媒体は保管するスペースを取るため、保管場所が複数に分かれる場合はより探す時間がかかってしまうでしょう。

データ化をしておけば、必要なときにパソコンやシステム上で文字情報をもとに検索をかけられます。探しているものがあるのかどうかも瞬時にわかるでしょう。膨大な紙の資料を一枚一枚めくったり、オフィスをあちこち探し回ったりすることなく、すぐに見つけられるのです。

また、データの変更・編集などの作業を簡単に済ませられることも大きなメリットです。同じ文言を毎回、新たに手入力したり、文字情報を入力し直したりする必要もなくなります。

データの入力を自動化することにより業務効率向上を

OCRとRPAを組み合わせることで、データ入力の自動化が進みます。データ入力の自動化によって、処理スピードが上がるうえに人的ミスも減り、業務効率化が実現されやすくなるため、特に人材不足が叫ばれる業界においては競争力が高まる可能性があります。

手入力を中心とした作業がまだまだ多いという場合、一度OCRやRPAについてご検討してみてはいかがでしょうか。

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