RPAを導入するためのポイントとは?導入方法から注意点まで解説

2020.11.20

2021.1.29

RPAは業務効率化に効果的だといわれていますが、実際に導入しようとしても、どうしたら良いかわからない方も多いでしょう。また、担当者は導入を進めたくとも、周りの賛同が得られない場合もあります。

そういった場合には、RPA導入後の効果を具体的に示したり、明確な手順を示したりすることができれば周囲を納得できるかもしれません。

この記事では、RPA導入を検討している方に向けて、導入方法や上司への提案ポイントなどを解説します。

RPA導入で上司に提案するポイントとは

企業担当者がRPAを導入する理由には、大きく分けて次の3つが挙げられます。

業務効率化をしたい

RPAを導入すると、定型業務を高速に安定して実行することができます。

人の手で行なう場合は、どれだけその業務に慣れていたとしても、ミスは発生するものです。そのときのコンディションや集中力によっても、作業効率が左右されることがあるでしょう。

それに対し、RPAであれば、ほぼミスがなく作業を進められます。単純作業をRPAに任せて人が作業する時間を減らすことで、労働時間の短縮にもつながります。残業が常態化している職場の労働環境改善にも貢献できるでしょう。空いた時間をより付加価値の高い業務に割り振ることができれば、企業の生産性向上にもつながります。

人手不足対策

稼働時間が長い仕事では、二交代制や三交代制などで交代して業務をこなすことが多いでしょう。しかし、交代要員の採用が難しい場合には、業務に人をアサインできないこともあります。

定型業務をRPAに代行してもらえれば、その人員を人手が足りない業務に割り振ることができるため、人手不足対策につながるでしょう。併せて、特定のノウハウを持った担当者が退職した際に起きる、スキルの消失や流出も防ぐことが可能です。

また、日本では少子高齢化にともない、生産年齢人口が年々減っています。RPAを業務に導入すれば、社員が行なう事務作業などのタスクが減るため、少ない人員でも業務をこなすことができるでしょう。

コスト圧縮

新しく人を雇う際には、教育だけでなく採用自体にもコストがかかります。例えば、入社準備などにも細かいコストはかかりますが、求人情報サイトに情報を掲載してもらうときや、人材紹介会社から紹介された人を採用するときなどに大きなコストが発生します。

また、採用した人材にはマネジメントも必要です。社員を育成するために研修をしたり、社員の管理にツールを導入したりする際にもコストが発生します。

RPAであれば、これらの採用コストやマネジメントコストが圧縮できます。RPA自体の導入コストはかかりますが、新しく人を雇うよりもコストを抑えられるでしょう。

RPAの導入方法

RPAの導入は大きく3つのフェーズに分かれます。RPAの導入を成功させるには、アーリースモールサクセスを意識することが重要です。

まずは個人単位で導入

作業時間が30分以内程度の、身近にある簡単な業務から自動化してみましょう。自動化した結果をすぐに検証でき、間違えていてもそれほど時間がかからずに自分で修正できる規模のものがよいでしょう。

この規模のRPA導入は効率化を図るよりも、RPAの導入方法や検討課題の洗い出しを目的に行ないます。

部署内に展開

個人単位の業務でRPAが導入され問題なく稼働している様子を見ると、自動化についての懸念が払しょくされ、RPAに対するハードルが下がるでしょう。そうすれば「あの業務も自動化できるのでは?」と気づくことが増えるはずです。その気づきから対象業務を増やしていきましょう。

部署内の一業務をすべて自動化できずとも、半分だけを自動化し、残りを人がやる程度でもはじめは十分です。RPAのできることを増やしていき、難しい部分は業務を整理するなどして、別の方法で導入する糸口を探すとよいでしょう。

作業ボリュームとしては、10分~60分程度の業務が適しています。

全社

全社に展開する際は、部署単位の成功を他部署にも展開していく形になります。他部署に展開する際も、いきなり大きな業務からはじめるのではなく、小さな業務から順番に自動化していきましょう。

自動化に成功した部署が一つあれば、その部署がノウハウを抱えているはずです。その力を借りることができれば、一つめの部署の自動化よりも二つめや三つめの部署で行なう自動化のほうが速く進んでいくでしょう。

全社に展開した際の作業ボリュームは、20分~420分程度の業務で行ないます。

部署間の連携が必要な業務まで自動化できると、RPAの導入は成功したといえます。膨大な量の定型業務も、他の担当者の不在や作業待ちを気にすることなく自動で業務が進んでいくでしょう。

RPAのコストと注意点

RPAの導入には、コストがかかります。コストは導入コストと保守・運用コストの2つに分かれるため、計算する際はトータルで考えることが重要です。

導入コスト

RPAツールの導入コストは金額の幅が非常に大きく、年間100万円から高いものになると年間1,000万円以上するものもあります。

RPAツールはサービスによって、サーバー単位で利用できるものやパソコン単位で利用できるもの、ロボット単位で利用できるものなどさまざまです。パソコン単位で利用できるものなどは、比較的導入時のコストが安くなっています。
例えば、「RaQubo」ならパソコン2台を初期20万円、月額5万円から利用することができます。規模を拡大するときはライセンス数(インストール可能台数)を増やすだけで済むので、月額料金のコントロールもしやすい価格設定だといえるでしょう。

保守・運用コスト

RPAツールは使い方が簡単であれば、専門の担当者を置く必要がなく、誰でも自動化のシステムを構築することができます。一度、使い方と導入の仕方を覚えてしまえば、さまざまな業務の自動化を社内で行なえるでしょう。

RaQuboのようにUXが使いやすく習熟が早いと、このような理想的な環境を作り出すことができます。現場担当者が自分で修正するレベルまで社内にRPAが広まれば、開発や運用も比較的簡単であり、結果的に運用コストが下がります。

RPAを導入しやすい部署

RPAには、導入しやすい業務と導入が難しい業務があります。

どの部署の業務にRPAを導入したら良いかわからないという方は、以下のような部署の業務から導入を検討するとよいでしょう。

単純作業が多い部署

同じ作業を大量に行なっていたり、集計処理を必要としたりする部署は作業がマニュアル化されていることも多く、RPAを導入しやすい傾向です。

例えば、営業部門の見積発行や営業成績の集計、経理業務の領収書送付、明細の消し込み作業などは作業量が多いうえに、数字にミスがあると修正が大変な業務です。他にも、コールセンターでの架・受電数の集計、顧客リストから通話明細の作成など、さまざまなところでRPAを使うことができます。

マーケティング

マーケティング部門では、自社製品の口コミの自動収集や、競合製品の情報を一覧化などに活用できます。また、定期的なSNSやブログへの投稿も宣伝広告としては重要な業務です。内容こそ違いますが入力項目は同じなので、定型フォーマットを作り、原稿を用意するだけで自動投稿できるような仕組みを作ることができます。

RPA導入するならまずは理解を!

RPAには、最初に導入を賛同してもらうまでは大変かもしれません。しかし、そこをうまくクリアできれば、業務効率やコスト削減などを実現することができます。導入する際には、メリットや注意点をしっかりと理解し、実際にどの部署のどの業務で使えるかを確認しておきましょう。

RPAの導入は、単純作業の繰り返しが最も向いている業務です。まずは、社内で導入に向いている作業を探してみましょう

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